中国語通訳時代の忘れられない事件。星読みセッションは「通訳」?

 

私は以前、勤めていた会社で

中国語の通訳業務をしていました。

 

大学生の時、第二外国語の授業で適当に

選んだのが中国語で

 

そこから夢中になって勉強し

就職してからは

 

勉強を続けつつ

 

中国出張したり

通訳したり

北京に駐在したりしました。

 

 

通訳の分野は

その時によって様々でしたが

 

 

中でも忘れられないのが、

 

来日した中国の政治家が

日本の政治家を

表敬訪問したときの通訳です。

 

私は日本側、

当時の参議院議長の通訳でした。

 

 

会談では

お土産や記念品の贈呈が

必ずあるのですが、

 

 

その時は中国側の政治家が

自分で書いた書の作品を

議長に贈りました。

 

 

中国の政治家の方って

書のレベルが書道家並み。

 

 

色んなシーンで

揮毫を求められることも多いし、

 

中国の有名大学では

そこを卒業した著名な政治家が

書いた文字が

そのまま看板になっていることが多いです。

 

 

政治家として外交の場に立つなら

「書」ぐらいは

いつ、どこでも書けるべき

という文化です。

 

 

さて、

贈り物を受けとった議長。

作品をご覧になって

こうのたまったのです。

 

 

「すばらしい。さすが書の国のお方です。

私も書はたしなみますが、

字(じ)をかくというより

恥(はじ)をかいている

といったほうが

いいくらいで・・・笑」

 

 

こう言いながら、

 

後ろにいる

通訳の私をふりかえって

 

通訳するの難しいよねぇ~ウインク

 

 

みたいな、

いたずらっこな顔をするのです笑

 

 

この議長、

とってもおちゃめなところがある方で

ジョークがお好き。

 

 

韻とかふまないでくれ…笑い泣き

 

 

と一瞬凍り付きそうになりましたが、

 

固まっている時間は

通訳者にはありません。

 

 

なんとか意味をつたえましたが、

ユーモア、おもしろさまでは

うまく伝えられず…

 

とても悔しかったので

今でも覚えています。

 

 

 

後日、

同じ通訳者養成学校に通う

中国人のクラスメイトたちに話し、

 

 

みんなだったらどんなふうに通訳する?

 

と聞いてみたら、

 

みんな、それは難しいよーー!と笑

 

中国語に限らず、

外国語の通訳では

韻を踏んだユーモアを

ニュアンスごと伝わるように訳すことは

かなり難しいと思います。

 

 

そんな中、

一人の友人が、しばらく考えてから

これはどうかなぁ、といった訳が

もう秀逸で!!

 

 

字(じ)をかくというより

恥(はじ)をかいている

 

与其说是”献字”(xian zi),

还不如说是”现丑(xian chou)”

 

 

字を書くは

一般的には写字(xie zi)と言いますが、

 

恥を書くの现丑xian chou のxian と

発音を合わせるために

献xian という動詞を使って

「字を書く」を表現しています。

 

 

「献字xian zi」は

一般的な単語としてあるわけではなく、

 

ニュアンス的には

「字を捧げる」といった感じになりますが、

このシーンであればきちんと通用するし

雰囲気ともマッチすると思います。

 

彼女の教養の深さに感動した瞬間でした。

 

 

通訳って、本当に奥が深いし

勉強が一生続く仕事だなぁと思います。

 

 

いま、私がしている星読みセッション。

この仕事にも

「通訳」的な要素があると感じます。

 

 

セッション(鑑定)では、

お客様ご本人の星ならびにあらわれている

生まれ持った資質、強み、考え方、

今起きていることの意味…

などを読み取って、

言葉にしてお伝えしていきます。

 

 

お客様ご本人が、

ご自身の人生の設計図を読みとき、

情報を知るための、

通訳者としてのお手伝い。

 

 

分野は違えど、

仕事の内容が全然違うように

私自身があまり感じていないのは

だからなんだなぁ、と思いました。